こんにちは。
長いこと続いたこの話し合いも忘れかけていた筈の歯の痛みと共にそろそろ答えを出さなければいけないと思うわけで・・・。
気になっていた疑問を最後の質問として、満を持して歯医者さんに投げかけたいと思います。
恐る恐る、、、
「先生、保険が適用される範囲でやってもらう場合は如何でしょうか・・・?」
やっぱり、「お金」の部分は気になりますよね。希望と値段のバランスは重要です!
でも最初に、強い調子で自分勝手な希望を出してしまったので、今更、値段の話題に触れるのは少々やり辛いのも人情・・・。
でも、そんな気まずさをよそに、歯医者さんは変わらない調子で丁寧に説明してくれました。
それなら『パラジウムインレー』
パラジウムインレーは、金・銀・銅・パラジウム等からなる合金。
良い点は、天然歯よりも硬く丈夫で、保険適用だから、その分、お値段もお手ごろ。
でも、銀色のため審美性は低く、個人差はありますが金属アレルギーの原因になることがあるようです。長年使用することによりセメントが劣化し、その小さな隙間からむし歯になることがあるのも注意点。
ここまで悩んでいた選択肢からは一段下に見えてしまうのは正直なところ。でも値段としては当然、一番良いですよね。
最後のしばしの沈黙を終えて、私は、良き相談相手である歯医者さんに、結論を伝えました。
しっかり考えるからこそ納得がいく選択ができて、しかも内容を熟知できるので安心できる。やっぱり、丁寧に分かりやすく説明してくれて、じっくり相談ができる歯医者さんがベストですね。
歯に詰め物をしなければいけない件。
こんにちは・・・。
もうどれだけの時間が経ったのでしょうか(実際は数分・・・)。
私の中では変わらず焦りと葛藤が渦巻いております。
そんな、大げさな話しではありませんが・・・、まあ女子の立場に立って考えてみて下さい。
歯の詰め物をどういうものにするか、ということは、髪で例えれば、白髪を染めるか。染めるならどんな色にするか。ウィッグやかつらを付けるか。付けるならどんなものにするか。と同じことですよね?髪は女子の命。それに相当する歯!!
つまり、超重要なこと。奥歯だから隠れて分からないだろう、というような安易な判断はできないことなのです!
私の目の前に黙って座る歯医者さんにも、そんな私の気持ちを分かっていただきたいと思い、ちらっと熱い視線をそちらに向けてみると、歯医者さんは笑顔を絶やさずに、ゆっくりと口を開いて私に言いました。
「詰め物をするということは体の一部になるようなものですから、納得がいくまでどういうものにするか考えるべきですよ」
(Υ_Υ) (Υ_Υ)先生、分かってくれてるのですねえ~~!!感動。
心の中の叫びが嗚咽のような変な声になって出てしまいそうになった時、先生はそんな私をどこへやら、何かに気付いたように言いました。
「最初に金属にされたくないと言われたのは、目立たないようにされたいからでしたよね。そうなると自然な白にするのが一番ということですかね」
ちょっと虚を突かれて、呆けた顔で頷くだけの私に先生は続けた。
「それでも、やはり、ジルコニアインレーが良いとは思うのですが・・・」
ええ、やっぱり、ジルコニアインレー??先生は、ジルコニアインレー推しなの?!とまたもや心の叫ぶ私に、先生は更に続けました。
「でも、『ハイブリッドセラミック』というものもありますよ」
ハイブリッドセラミック??
ハイブリッドセラミックは、セラミックとプラスチックを混ぜた材料で作られていて、詰め物・被せ物どちらにも対応できるそうです。
オールセラミックよりもやわらかく、硬すぎないので、周囲の歯や噛み合う歯にダメージを与えにくい材質で、金属を使用しないので金属の溶け出しによる歯や歯ぐきの変色、そして金属アレルギーなどが起こる心配がないのですって?!
「しかし・・・」と先生が眉間に皺を寄せて、しっかりと注釈をつけてくれました。
プラスチックが混ざっているので、年が経つと変色が起こり、噛み合わせなどの状態によっては、割れたり欠けたりするリスクもあるそうです。あと、こちらも保険外治療なので、その分、費用がかかります。ジルコニアインレーよりは安くて済みますけどね。
そうかあ。「目立たない」というところと値段的には「ジルコニアインレーよりも安い」というのは良い点だけど、「長持ちさせたい」という二つ目の希望には合っていないみたいね・・・。
知識が身に着いてくると余裕が出て来るもので、先程まであった焦燥感みたいなものはなくなっていました。ほとんど、歯医者さんの配慮があったおかげなのですが・・・。それに、ジルコニアインレーと比較する物を紹介してもらったことが大きいかも。
そんなこんなで、そろそろ議論の最終地点がおぼろげながら見えてきたことを感じながら、私は最後の質問を心の中に用意した。
遠くなった筈の蝉の声が、まるで虫歯に響いたように、忘れていた痛みが戻り始める。
つづく